She Loves Me


「1時間目はー?」

「数A」


意外と真面目にシャーペンを走らせるイガラシにあたしは驚いた。



「いいんちょー、部活とかねぇの?」


スラスラと文字を書き進めながらイガラシは話す。



「ないよ、帰宅部だもん。放課後は、図書室に寄るくらい。イガラシは?」


「いいんちょーってさ、漫画の真面目キャラほどくそ真面目!ってタイプでもないけどやっぱり真面目でおもしれーわ」



やっぱり、あんまり会話にならないイガラシとの会話。


「バカにしてる?」

「うんにゃ。今まで会ったことないタイプだから俺にとっては貴重な存在ってこと」



貴重、といわれて嬉しいような恥ずかしいような、なんだかムズ痒い。



「んじゃ、付き合ってくれてサンキューね。バイバイ、いいんちょー」



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