She Loves Me
ー 初恋
案の定、昨日はよく眠れなかった。
「イガラシのことを考えると、なんていうか胸がきゅう、ってなるの」
朝からヒソヒソ声でタイちゃんに相談する。
「たぶん、好きなんだと思う」
はっきり口にすると、同時に恥ずかしさが込み上げてくる。
「そっか。もしかして幸、初恋なんじゃない?」
ニコニコとあたしの話を聞きながら、嬉しそうにしているタイちゃん。
「うん…。こんなの初めて」
「よかったね、幸。こうなるといいな、って思ってた。応援するよ」
親友に応援されると心強い。
「早く来ないかなあ、イガラシ…」