She Loves Me



「五十嵐!お前に言ってんだよ!」


知ってる名前に思わず振り向いてしまった。



「はいはい、俺だよ。割ったのは」



なんとなくそのまま、低くて、落ち着いた声がする方を見た。




茶髪に、耳に光るキラキラのピアスを付けたその人は整った顔立ちで気だるそうな顔を浮かべている。




ふ……不良だ。



そうレッテルを貼って、急ぎ足で教室まで戻った。




「タイちゃん、もしあれがホンモノのイガラシだとしてもあたしは絶対!絶対に関わらない。絶対!」



絶対、という部分を強調していうあたし
に、タイちゃんは不思議そうな顔をしていた。





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