She Loves Me
羽鳥くんにだったら、こうしてなんでも聞けちゃうし、素直になれる。
同じ男の子なのにな…
お言葉に甘えて、すっかり日の落ちた帰り道を羽鳥くんと一緒に歩く。
「それはさ、高橋自身が俺のことを男として意識してないからじゃないかな?」
「へっ?」
心の中で言ったつもりが、口に出していたらしい。
「意識…」
自分で言って、ぼんっ、と顔に熱がこもったのがわかる。
羽鳥くんのことは意識してないから普通に話せる。
だけど普通にできないイガラシ。
あたしはイガラシのことを意識してる。