She Loves Me
この高校に通って2年目。
はじめて来る屋上のドアは、思ったより普通のドアだった。
「そもそも、普段は鍵がかかってるのになぜか不良くんはこの鍵を開けれちゃうんだよね」
いつかのマンガで読んだ知識をフルに活用しながら、ドアノブを回した。
ガチャリ、という音と一緒に開いたドア。
辺りを見渡すと開放的な雰囲気のコンクリートの上に寝そべるイガラシがいた。
「ビンゴ」
そう呟いてイガラシに近付く。
イガラシは少しだけびっくりしたようだった。
「やっぱりイガラシはキャラクター、ぶれないね。不良は屋上で授業をサボるのはテッパンだからね」