ひとつ屋根の下の王子様
「笑い事じゃないよー・・・」
「ま、諦めるしかないわねえ、それは」
「・・・遊びに来てね。」
「行く行く!」
「こーら、塔矢、浅羽、うるさいぞー」
「「はあーい。」」
先生に注意されれば、
顔を見合わせて笑う私と美保。
すると、机の中で震える携帯。メールだ。
受信画面を開けば、
それは、幼馴染の雨錐麻都(アマギリアサト)で。
【真面目に授業受けなさい。】
・・・そうだ。同じクラスなのを忘れてた。
しっかし・・・
「・・・何て短い、愛想のない文。」
ぽつりと呟けば、こちらに振り向きキッと睨んでくる麻都。
・・・地獄耳にもほどがある、!!
私は口パクで「はいはい」と言えば、
携帯を机の中に入れて、黒板を見る。
麻都は、前の方の席だから、何してるかよくわかる。
・・・まあた、携帯触っちゃって。
それで学年1位なんて、神様は不公平だ。