ずっと好きだと言えなかった
黒の傘は曲がり角に消えた。
それを見て家に入る。
家は真っ暗。
誰もいない。
幸いだったかも。
とくに妹が居なくてホッとする。
鉢合わせにならなくて良かった。
もし千葉君と相合い傘をしているところを見られたら最悪だ。
このネタで一ヶ月はからかわれるだろう。
そう思えばわたしが男の子と一緒に帰るのは初めて。


とりあえず怒られる前に制服を脱ぐと洗濯機のなかに放り込む。
そして、今度は何を作ろうか、とスウェットに着替えてキッチンへ向かった。












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