ずっと好きだと言えなかった
とりあえず教室に戻ると千葉君が近づいて来た。
生意気だけど今は少し、逢いたくなかったかも。
“おはよう”と返した声が微かに震えた。


“挨拶”だけではなく“会話”になると顔が引き攣る。
不運にもさっきの女の子達の半数は同じクラス。
睨み付けるように見つめてくる。
そりゃあさっき忠告したばかりなのに数分後には破っていたら怒るだろう。でもこれは不可抗力だ。
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