ずっと好きだと言えなかった
下校時間を過ぎているため玄関口にはほとんど人がいない。
静かな廊下に雨の音が響く。


下駄箱の扉を開けて首を捻る。
あれ…?
可笑しいなぁ。


見間違い?なんて思うが見間違えるはずがなかった。
勝手にひとりでに動くわけがない。なら何でないの。
どこを見ても、どう見ても、中には何もなかった。


ローファーが、…ない。
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