ずっと好きだと言えなかった
ローファーを抱き締めていると、後ろから足音が聞こえた。


条件反射で振り向くと彼がいた。
今一番会いたくないのに。
なんでいるの。



「千葉君…」

「っなにやってんだよ!」



デジャブだ。
昨日もこんなことがあったなぁ。



「…放っておいて…」

「はぁ?」

「…もう放っておいてよ!」



ボロボロと涙と零れる。



「…ううっ……」



雨のなか地面に座り込みなくわたしに困惑する千葉君。
昨日なんかより状況が酷すぎる。
もう頭がぐちゃぐちゃだった。
ローファーもズタズタにされて、千葉君もわたしに関わってくる。なんでこんな目に合ってるのかがよく分からなかった。
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