ずっと好きだと言えなかった
しかし肩を掴まれ足を止める。



「待てってっ、」

「っ、帰るの」

「靴は?とりあえずこっちに来い」



逃げだすのに失敗したわたしの腕を千葉君が引っ張られる。その際に抱いていたローファーがドサッと地面に落ちた。


何でわたしがローファーなんかを持っていたのかを不思議に思ったんだろう。眉を寄せてローファーを拾う――――が直ぐに千葉君は目を見開いた。


だってズタズタのボロボロなんだもん。
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