ずっと好きだと言えなかった
「……おい、これ」

「べつにいいよ、気にしないで」

「いいわけ…」

「もういいのっ!」



ここまで声を荒げたことが過去にあっただろうかと言うぐらい叫ぶ。



「だいたいっ、


千葉君のせいでしょ!?」



こんなこと、言いたくないのに。


ただの八つ当たりだった。



「千葉君のせいじゃん!千葉君がわたしなんかに優しくするから!だからっ、だから、皆がわたしを責める!千葉君がわたしなんかに関わるから悪いんだよ…!」



顔を手で覆い泣きじゃくる。もう雨では誤魔化せないほどに泣いていた。
ボロボロのローファーと同じくわたしの顔も涙と雨でグチャグチャだった。
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