ずっと好きだと言えなかった
泣きながら走る。
人目を感じたけど走ることを止めなかった。


―…後ろに人気を感じる。
足音が聞こえて振り返れば千葉君が追ってきていた。
そして数秒もしないうちにわたしの腕はまたもや掴まれる。
わたしなんかが現役サッカー部員に敵うはずがない。
呆気なく捕まってしまう。
息が荒いわたしと、少し乱れただけの千葉君。
二人して道端のど真ん中で傘も差さずに立ち止まった。
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