ずっと好きだと言えなかった



「―――ごめん。千葉君の気持ちに答えられない」



この告白が本気なのか冗談なのか偽物なのか本物なのか、それは、結局よく分からなかった。


だけど千葉君がわたしを好きになるなんて有り得ない。
ある筈が、ない。
それにはやく気付いて。


わたしの言葉に彼は眉を顰めた。



「っ……」

「きっとなにかを勘違いしてる。千葉君はわたしをスキじゃない。何かを恋と勘違いしてるだけなんだよ…」

「片瀬っ、俺は、」

「雨、強くなって来たからはやく帰ろう?ごめんね、わたしを追って此処まで来てくれて有り難う。でも大丈夫だから」

「聞けよっ!俺は本気で―――」

「ごめん。聞きたくない」



バッサリと切り捨てる。
あからさまに拒絶した。
何が正しい答えなのかなんて分からない。
でも傷付いた表情の千葉君を見る限りわたしは誤った答えを導いてしまったのかも―――と思う。
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