ずっと好きだと言えなかった
さりげなく、
さりげな〜く、



「あゆみちゃん…」

「はぁい!」



くそ!可愛いなぁ!もう!



「お兄ちゃんの名前、教えてくれるかなぁ?」



手をあげて返事をするあゆみちゃんの可愛さに眩み、悶えながらも恐る恐る尋ねてみた。



「おなまえ?」

「うん」

「あゆみだよ!」

「あ、いや、あゆみちゃんの名前じゃなくて、“おにぃちゃん”の名前が聞きたいんだ…」

「――あ!おにぃちゃん!」



キョトンとしたあゆみちゃん。
しかしそのあと直ぐに叫んだ。
自由だなぁ、この子。
小さい子は皆こんな感じか。
はじめはわたしの言ったことを繰り返してるだけかと思ったけど、違った。
あゆみちゃんの目線はわたしの後ろに移っていた。
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