ずっと好きだと言えなかった
千葉君の言葉と真剣さは身に染みて感じとれた。
わたしが不安に思ってたことも、信じきれてなかったことも、見越されていたと言うことか。



「………千葉君」



目をそらすのを止めた。
向き合わないと。
気持ちとも。千葉君とも。



「千葉君の言葉、凄く嬉しかった。誰かに好きだって言われるのも初めてだし、今まで言ってくれる人なんて居なかったから、純粋に嬉しかったよ…」



緊張から手汗を握る。
千葉君はジッとこちらを見つめて耳を傾けている。



「……でもね、わたしはまだ恋を知らない」



だからゴメン。
好きとかよく分からない。
< 174 / 220 >

この作品をシェア

pagetop