ずっと好きだと言えなかった
千葉君はあゆみちゃんの口を塞ぐ。
しかし時遅し。
もう聞いてしまっている。
“おねえちゃん”だけなら意味は然程分からなかった筈。
誤魔化されれば追及もしない。
だけど生憎わたしは千葉君に逢う前に聞いてしまった。
結婚云々の話を。
顔を赤くさせて目を泳がしていると千葉君は罰が悪そうに呟いた。



「……ただの妄想だって」

「……そんな妄想は誰かに話すものじゃないよ」

「……」



フォローしたいのに出来ない。
何でよりによってあゆみちゃんなんだ。
四歳児は自重と言うものをしらないのに。
わたしにだってペラペラ話してくれたんだから、絶対どこかで喋ってる。
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