ずっと好きだと言えなかった
いつの間にか辺りは暗くなっていた。
まさか薬局に行くだけで何時間もかかるなんて。
千葉君の「送って行くよ」という言葉は少し擽ったい。
だけど素直に甘えることにした。



「あゆみも!あゆみも!」



千葉兄妹でわたしを送ってくれるらしい。
癒し系のあゆみちゃんを真ん中にして手を繋いだ。
真ん中にあゆみちゃんが居ることに不満気で不機嫌だった千葉君を除いては楽しい帰り道。
行きはあんなにどきまぎしていたのに。
短時間でわたしの世界は変わった。
これから千葉君と見る世界はどんな色なんだろう。
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