ずっと好きだと言えなかった
山本くんは「それで、」と言葉を繋げる。
頬をほんの少しだけ染めると照れ臭そうに頬を掻く。



「……見に来てほしいんだけど」

「えっ」



わ、わたしに?


わたしなんかが応援するとと逆に気が散るんじゃないかと思った。



「土曜日。空いてる?」

「明後日…?」

「や、別に無理には言わない。急すぎるし。予定入ってるならそっちを優勢してくれていいよ」

「い、行くっ!絶対行く!千葉君応援しに行くから!」



千葉君を見上げて意気込むように言う。
張り切り過ぎて少し恥ずかしかった。
僅かな沈黙の後、千葉君は嬉しそうに微笑する。
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