ずっと好きだと言えなかった

「おはよ」

「ち、千葉君っ!?」



後ろにいたのは雨に濡れた千葉君だった。『…どうして、』と呟く。何でいるの?部活は?



「外から見えたから」

「ぶ、部活は?」

「さっき終わった。て言うか驚き過ぎでしょ」



驚いて固まっているとクツクツ笑われた。固まっているのは千葉君が居たからと理由もあるけど一番の理由はびしょ濡れだからだ。


髪の毛やユニフォームが濡れて雫が垂れている。



「先に拭いてからくれば良かったのに…」

「え?ああ。ゴメン。片瀬が見えてそのまま来たから…。ゴメン」



何かを勘違いしたのか、わたしと距離をとる。かなり濡れている事に気付いたらしく罰が悪そうに謝られた。
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