ずっと好きだと言えなかった

「……近い」

「え?」

「だから近い」



言われてから気づく。千葉君の髪を拭くことに夢中だっため気付かなかったけどかなり距離が近かった。千葉君の頬がほんのり赤い。



「わっ!ごごごっ、ごめんなさい!」



ちっ、近い!わたしから近付いた癖に距離を取る。


千葉君の綺麗なお顔が間近にある事に吃驚した。
直ぐさま飛び退いたわたしに千葉君は苦笑いすると練習着をギュッと絞った。
ボタボタと落ちる水。


ここ、図書室なんだけど…
なんて思いながらも寒そうだから見逃してしまった。
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