ずっと好きだと言えなかった
「せめて着替えてくれば良かったのに…」



本当にわたしを見つけて直ぐに来てくれたことはわかった。
だけど見てるこっちが寒い。
わたしなんかカーディガンでぬくぬくなのに。
千葉君はびしょ濡れじゃん。
少しだけ眉根を寄せるわたしに、濡れた髪を掻き上げながら千葉君は言った。



「片瀬に早く会いたかったから、雨降ってるのも忘れてた」








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