ずっと好きだと言えなかった
「ど、同情でも、いい」



そう呟くと罵声を止めてこちらを見つめてくる。


わたしは逸らしていた目を彼女達に向ける。震える手でスカートをギュッと握り絞めて告げた。



「千葉君が好きだから…。好きだから、同情でも何でもいい。それでも彼はわたしを見つけてくれた…」

「……、」

「わたしはもう、傷付けたくない。千葉君がわたしを見放すまで別れるつもりはないから…」



もう懲り懲りだ。傷付けるのも傷付くのも。“突き放す”が何れ程辛いことかつい最近知ったばかりだ。
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