ずっと好きだと言えなかった



「水を差さないでくれる?」



柔らかくも厳しい言葉。わたしを取り囲む女の子達は決まりが悪そうに俯くと『ごめんなさい。』と言い小走りで去って行った。


残された私はボーッとしたあと、千葉君を見る。


息を整える彼の額からは汗が。



「……捜した」

「え、」

「あの女達もいねえし何かあったのかと思って捜した」



はぁ。と溜め息をつく千葉君は本当に疲れた様子だった。
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