ずっと好きだと言えなかった
「言ってなかったから、」



聞かれてても千葉君に向けた言葉を聞いて貰わなきゃ意味がない。


伝えないと駄目だと思った。誰かの事を、男の子の事を、好きになるのは初めてで少し戸惑う。不器用なのは彼だけじゃなく、わたしも同じだった。


ずっと分からなかった。


この、ふやけるような、気持ちの意味や名前が。


傷付けて泣いて足掻いて、それでも千葉君の隣にいるとやっぱり、心がほかほかするの。
< 217 / 220 >

この作品をシェア

pagetop