ずっと好きだと言えなかった
「俺、見たんだよね」



いきなり何を言い出すのか。
そんなことを言った千葉くん。
一体何を見たのやら。
幽霊?
校長先生のカツラ?



「それ、誰のか調べるとき片瀬の携帯の中身見た」



“それ”がこのホワイトの携帯だと気づくのに時間は掛からなかった。
淡々と言う千葉くん。
彼がこの携帯を探ったのは致し方ない。
だって持ち主が特定出来る術が他になかったんだから。
不可抗力。
そう。不可抗力。
頭ではわかってるのに、



「……っ」



顔がカアッと赤くなっていくのがわかる。
俯いて携帯を握り締めた。
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