ずっと好きだと言えなかった
ついさっきまで必死に探していた携帯もいまでは放り投げたい衝動に駆られる。


どうしようもなく、逃げ出したくなった。



「悪いって思ったんだけどさ」



そういう彼は全く悪いと思ってない。
悪びれるどころか……寧ろその逆。心なしか声が弾んでいる。


最悪。
最悪。
やっぱり今日はツいてないや。



「アドレス、交換しよ」



ほら。千葉くんも絶対バカ――――――え?


バカにされると構えていたのに、千葉くんは予想もしていなかったことを言った。
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