ずっと好きだと言えなかった
だけど腑に落ちず、恐れ多くも、カマをかけてみようと思った。



「…わっ、わたし今日の朝、納豆食べてきたの」

「…納豆?」

「…う、うん」



眉根を寄せた千葉君に内心ビクつく。



「納豆、無理じゃなかった?」



あ。
かかった。



「な、納豆が嫌いなこと知ってるんだ…」



そう言えばあからさまに顔を顰めた千葉君。
納豆?――――まさか。
納豆なんて食べれない。
あの臭いとねばねば感がムリ。
我が家で納豆を好むひとは居ないから冷蔵庫にはない。
ゆえに納豆は食べてきていない。
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