ずっと好きだと言えなかった
■chapter04■
―――chapter4―――
「片瀬さんばいば〜い」
「う、うん。また明日」
昇降口で偶々出会した同じクラスの子に手を振る。確かいまの子は吹奏楽部。もう部活動終了の時刻か。はやく帰ろう。
だけど参った。靴を履いて玄関口に行けば雨が降っていた。朝は晴れてたのに…
「あれ、片瀬さん?」
この雨を見て途方に暮れていれば後ろから声がかかる。振り返れば同じ委員会の先輩が立っていた。