ずっと好きだと言えなかった
「セナちゃんどうしたの?傘がないの?」



先輩の彼女さんが赤子に聞くように尋ねてきた。
いまにも背丈も合わせてきそうだけど生憎わたしの方が高い。
容姿が可愛い先輩は声まで可愛らしい。
躊躇いながら頷けば、センパイは隣に立つ自分の彼氏のワイシャツをぐいぐいと引っ張った。



「はじめちゃん貸してあげて」

「ちょっ、伸びますから!」

「セナちゃん風邪引いちゃう」


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