ずっと好きだと言えなかった
生憎わたしの家は高校まで歩いて来れるところにある。ならわたしが走って帰れば済む話だ。


キョトンとしたセンパイはおろおろと傘とわたしを見比べる。



「え?でもセナちゃんが――…」

「い、家が近いんで大丈夫です!柔じゃないんで風邪も引きません!」



天然なセンパイなら『3人で相合い傘しよう!』とか言い兼ねないので押し切る。
先輩も苦笑いしてるから同じことを想像してるんだと思う。
さ、3人で相合い傘は少し無理があります。
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