ずっと好きだと言えなかった
わたしなんかが関われる存在ではないと思っていたのに――…。


間近で見る顔は凄く整っている。
背も高い。


たまに肩が触れる。
千葉君の馨りにクラリ。


変になりそうなわたし。
千葉君も無言。
何だか変な空気だ。
雨はまだ、止まない。



「なんか、ご、ごめんね」

「別にいいよ。家近いし」

「でもわたしと家真逆だよね?」



確かに他の地区の生徒からすればわたしと千葉君はご近所。
だけど近からず遠からず。
前に来てくれたときにも思ったけど千葉君の家は真逆に位置するはず――――なのに。
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