【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
スッと通った鼻筋と、薄い形のいい唇。
本当にどこかの王子様みたいな風貌だ。
……ただ、すごく無表情だけれど。
「ね?王子様ってだけはあるでしょ。さ
っきの悲鳴も、皐君が来たからよ。食堂
に来るなんて珍しいものね」
ボーッと離宮君に見惚れる私に、そう律
希ちゃんが教えてくれた。
そこに居るだけで女の子の歓声を集めち
ゃうなんてスゴいなぁ……。
「でも、なんで"氷の王子様"なの?」
「それは、皐君がすーっごくクールだか
らよ。ていうか無愛想?」
「無愛想?」
「そ。今だってそうじゃない。女の子な
んかまるで眼中にないような無表情さで
しょ。話しかけても無視。触ろうとでも
すれば凄い剣幕で睨まれるらしいわ」
そう言われて離宮君を見てみれば、確か
に清々しいくらいの、"真顔"。
心なしか、不機嫌そうにさえ見える。
「んで、つけられたあだ名が"氷の王子
様"ってわけ」