【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
なんて考えていると、「あ」という声が
聞こえてきて、見れば、萱島君がこっち
に向かって手を振っていた。
「おーい!二人ともーっ!」
ブンブンと勢いよく手を振る萱島君に、
忌々しそうに舌打ちする律希ちゃん。
私も手を振り返そうとしたら、あげかけ
た手を、横から律希ちゃんにパシッと掴
まれてしまった。
「あんなやつに振り返そうだなんて思わ
なくていいの。ほっときな」
「え、あ……う、うん?」
ほっときな、って……。
でも萱島君、さっきからずっと手、振っ
てるのに?
い、良いのかな……。
ちょっとおろおろしていると、萱島君が
女の子たちの群れから抜け出して、こち
らまでやって来た。もちろん、千明君も
一緒。
「おはよー!杏子ちゃん、笹野!」