【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
氷の王子様───……。
そう呼ばれるのも頷けるくらい、彼の周
りはピリピリとしていて。
離宮君の周りに群がる女の子達も、きゃ
ーきゃーと騒いではいるけど、まるで薄
い壁があるかのように一定の距離から近
付かない。
なんだかすごい男の子だなぁ……。
「オムライスあがりーっ!」
その時、カウンターのおばちゃんがそう
大声で言ったのが聞こえてきて、慌てて
ガタッと立ち上がった。
やった!三日ぶりのオムライス!!
ワクワクで心臓が潰されそうなくらいに
嬉しくて。
離宮君の事なんかスポンッと頭から抜け
落ちて、脳内はオムライス一色。
「お嬢ちゃん、いつもありがとうねぇ」
「こちらこそこんなに美味しいオムライ
スありがとうございますっ!」