【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
いきなりそう言われて、首を傾げると、
千明君が片手で口の辺りを覆った。
「つか、呼んで?」
「え?」
「凌斗、って。呼んで」
え、……え!?
「よ、呼び捨て!?」
「うん。俺も杏子、って呼ぶし」
「……っ、じゃ、じゃあ、…凌斗君、で
もいい?」
さすがに呼び捨てはハードルが高いとい
うか……。
なんでか無駄に心臓がドキドキしちゃっ
て、忙しいから。
「……ん。わかった」
そう微かに笑った凌斗君が、手のひらを
私に伸ばしてきた時───。
───グイッ。
「如月」
何故か後ろから、離宮君に引っ張られた
のです。