【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
ほとんど即答するようにそう言われて、
私は思わずごめんなさいと謝ってしまっ
た。
「でも……お互い、名前で呼びあってる
し」
「───俺ら、従兄弟だから」
名前で呼び合うくらいには仲良しなのか
な、と思ったんだけど。という言葉は、
さらっと答えた凌斗君の声に遮られた。
……え、従兄弟?
「そ、そうなんだ……!」
「そ。俺の親父と、皐の母親が兄妹だか
ら」
「へぇ……」
なんかびっくりな新事実だなあ、と思っ
ていると不意に、離宮君に後ろに引っ張
られて。
「ちょっと、来て」
そう言われて、離宮君は私をどこかに引
っ張っていった。
やがて連れて来られたのは、人気のない
ベンチ。