【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
離宮君はベンチに私を座らせると、少し
気まずそうに目を逸らした。
「いきなり連れ出して……ごめん」
「大丈夫ですよ?」
「……あのさ」
ふと、言いにくそうに口を開いた離宮君
。
離宮君は、少し目を泳がせてから、私を
見つめた。
「……あいつのこと、好きなの?」
「……あいつ?」
あいつのことって誰のことだろう、と首
を傾げると、「凌斗」と短く答えた。
「凌斗君?……そりゃ、普通に好きです
けど……」
そう答えると、くい、と離宮君が眉を寄
せる。
「……意味、理解してねーだろ……」
「え?」
……どういうことだろう。