【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
それから、どこか不機嫌そうに眉を潜め
た。
「なんで凌斗にはタメ口で、俺には、敬
語なの」
「……へ?」
「それにちゃっかり、"凌斗君"とか呼ん
でるし」
ムスッとしたように、拗ねたような表情
を見せる離宮君。
いつも無表情か、運が良くて、ほんの微
かに笑う所しか知らなかったから、なん
かとても新鮮。
今日の離宮君は、離宮君じゃないみたい
。
よく喋るし、コロコロと表情も変わるし
……なんだか、別人みたい。
「……如月、聞いてる?」
ぽけーっとそんなことを考えながら離宮
君を見つめていたら、咎めるような口調
でそう言われて、ハッと我に返った。
「あ、えと……。た、タメ口なのはです
ね、萱島君にそう提案されたからで……
。凌斗君は、そう呼んでほしいって言わ
れたので……」
「じゃあ、俺も」