【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~





◆◆◆



「杏子、皐君来たわよ!」



二階に居ると、下からお母さんのそんな
声が聞こえてきて、私は慌てて下へと降
りた。



階段をかけ降りると、そこには少し微笑
んだ皐君。



「いらっしゃい!皐君!」


「……ん」



遠足が終わってから、二週間。



もちろん皐君の家庭教師は続いていて。
皐君は相変わらず口数が少ないけど、前
よりも表情が柔らかくなった。



……なった、んだけど───。



「……あ、あのぅ…皐君?」


「なに」



恐る恐る皐君を呼べば、コテン、と首を
傾げる皐君。



その仕草、なんか可愛……じゃなくて!





< 145 / 361 >

この作品をシェア

pagetop