【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
◆◆◆
「杏子、皐君来たわよ!」
二階に居ると、下からお母さんのそんな
声が聞こえてきて、私は慌てて下へと降
りた。
階段をかけ降りると、そこには少し微笑
んだ皐君。
「いらっしゃい!皐君!」
「……ん」
遠足が終わってから、二週間。
もちろん皐君の家庭教師は続いていて。
皐君は相変わらず口数が少ないけど、前
よりも表情が柔らかくなった。
……なった、んだけど───。
「……あ、あのぅ…皐君?」
「なに」
恐る恐る皐君を呼べば、コテン、と首を
傾げる皐君。
その仕草、なんか可愛……じゃなくて!