【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
「な、なんでそんなに見るの?」
遠足から帰ってきてから、ずっと。
気付けば皐君が私を見つめていて。しか
もその瞳が、なんだかやけに柔らかいか
ら、どぎまぎしてしまう。
なんだか、落ち着かないの。
「見たいから」
「……っ」
み、見たいから……って…!
「恥ずかしいから……」
やめて欲しいです、という言葉は声にな
らず、喉の奥で消えた。
だって……だって!
皐君が、ふんわりと微笑んでるから。
胸がキュウ、って締め付けられて、苦し
くなる。
「……杏子」
「っ、」