【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
「……そんな顔して、俺をどうしたいん
だよ、お前」
「……え…?」
皐君の言葉の意味がわからなくて、間の
抜けた声を出すと、皐君の口元が僅かに
ゆるり、と弧を描く。
そして、頬に触れていた皐君の指先が、
そのまま私の唇へと移動してきた。
ふに、と弾力を楽しむように押される唇
。
「……なあ、キスしたことある?」
キ……ええぇっ!!?
いきなりそんなことを聞かれるとは思っ
てもみなくて、目を見開いてしまう。
キ、キスって……!
というかまさか、皐君からそんな単語が
飛び出してくるなんて……!
「そ、それって…数学に関係あります?
」
そう言うと、皐君が怪訝そうな表情を浮
かべた。
「あるわけないだろ」