【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
ですよねー!
いや、別にそれで「ある」とか言われて
も困っちゃうんだけど……。
あわあわと動揺しまくる私なんてお構い
無しに、皐君の綺麗な顔がぐん、と近付
いてくる。
「……っ」
鼻先が触れそうな程のその距離に、耐え
られなくなり顔を横に逸らす。
すると、皐君の低い声が降ってきた。
「なんで顔、反らすんだよ?」
「っだ、だって……近いよ……っ」
そう言うと、ふ、と皐君は笑って。
唇に触れていた指先を、そのままするり
と顎へと移動させて、容易く私の顔を、
皐君の方へと戻した。
少し潤んだ、皐君の瞳。
じ、と真っ直ぐに見つめられて、私はも
うどうしたらいいのかわかんなくて。
こんな気持ち、初めてで……。
「……してみるか?」