【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
そこで、鋭く光った瞳を、更にスウッ…
と細めると。
「"皐くん"なんて馴れ馴れしく呼ぶな」
氷点下までいきそうなくらいに低い声で
そう言った。
勿論女の子達はそれからは声一つ漏らさ
ずに。
ただ、泣きそうになりながら離宮君を見
つめていた。
……はっ!ていうか、眺めてる場合なん
かじゃ無いんだった!
謝らなきゃ!
もうすでに踵を返して、カーディガンを
脱ぎながら去っていこうとしていた彼を
追いかける。
「り、きゅう君……っ!」
小走りで走らないと追い付けないくらい
、離宮君の歩くスピードは速くて。
だけど呼んでも止まってくれないから。
「待ってください!」
咄嗟にそのカーディガンを奪った。