【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
───そんな風に、言えたなら。
少しは俺のこと、意識してくれんのかな
。俺が、お前を。
……好きだ、って。……気付いて、くれ
んのかな。
そこまで考えて、でもこの天然さじゃ無
理か、と諦める。
杏子が好きだ、と自覚してから、理性が
揺らぐ。
杏子の部屋で二人きり、正直いうと、も
う勉強どころじゃねえ。
だから、この前も。
何を思ったか、キスしたことあるのかな
んて訊いてしまったし。
はぁ、とため息をついてから杏子を見つ
める。
純粋で、一点の曇りもない、大きな瞳。
そこに、ほんの少しでも、俺への"下心"
が映ればいいのに。
他の奴らなんて、下心しかねえような目
で俺を見てくるっていうのに、こいつに
至っては下心の"し"の字もない。