【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
その上目遣い、計算でやってんのか?い
や、まさかこいつに限ってそれはないん
だろうけど。
自覚がないぶん、余計に困る。
「別に。気にしてない」
プイッとそっぽを向いて、そう言う。
というかむしろ、あそこで杏子がオムラ
イスを落としてくれて良かったとさえ思
う。
あの出来事がなけりゃ、きっと俺らは…
…ずっと、他人のままだった。
家庭教師だって断ってただろうし。
ふと、視線を感じて顔を上げれば。
───凌斗が、俺を見つめていた。
◆◆◆
「じゃ、もう食べ終わったし、行こ、杏
子」
それから俺と吉馬も昼飯を頼み、暫くす
ると笹野がそう言って立ち上がった。
「え、もう行くの?」