【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
萱島がそう言うと、立ち上がる凌斗。
……面白くねぇ。
当たり前のように杏子と一緒に居られる
凌斗がムカつく。
……やっぱり、同じクラスってズルいよ
な……。
「杏子も、行くよ」
「あっ、うん!……じゃあ、バイバイ、
皐君」
笹野に呼ばれて立ち上がった杏子は、チ
ラッと俺を見て、そう小さく笑った。
「ん。またな」
「じゃあねー、律希ちん」
「ちょ、城田君、その変なあだ名やめて
よ」
不機嫌そうに眉を寄せる笹野に、ケラケ
ラと笑う吉馬。
今日の吉馬は、やっぱり可笑しい。
───疑惑が確信に変わったのは、その
すぐ後だった。
俺らも食堂から出て、教室に戻ろうとし
た途中で、向こうから凌斗がやって来る
のが見えた。