【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
「城田君、ほんとその呼び方やめてよ」
「なんで?いーじゃん」
「嫌よ。そんな変なあだ名。あんたしか
そんな風に私のこと呼ばないし」
そう言った律希ちゃんに、吉馬さんはニ
ヤッと笑って。
「それが、目的だからね」
と言った。
「……は?」
「律希ちんも俺のこと、好きに呼べばい
いよ。誰も呼ばないような呼び方で」
「なに言って……」
「───だって」
怪訝そうな律希ちゃんの声を遮った吉馬
さんは、少し低くした声でそう言うと、
律希ちゃんの耳元に唇を寄せた。
「そっちの方が、特別な感じでしょ?」
「……っ」
律希ちゃんの耳に息を吹きかけるように
そう言った吉馬さんに、カアッと顔を真
っ赤にさせる律希ちゃん。
律希ちゃんがこんなに真っ赤になるのは
初めてだったから、なんか新鮮。