【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
意味もなく熱を持った頬を両手で包み込
みながら胸のドキドキを鎮めていると、
不意に、後ろからトントン、と肩を叩か
れて。
ふり返れば、少し不機嫌そうな凌斗君。
唇を一文字に引き結んで、目を細めて、
私を見ている。
ど、どうしたんだろ……。
「りょ、凌斗君……?」
「今、何されてたんだ?」
「……へ?」
今?……なんのことだろう。
きょとんと首を傾げると、凌斗君ははあ
、と息を吐き出した。
「……ま、いいや。あのさ、杏子」
「うん?」
「ちょっと話したい事があるから、放課
後、教室で待ってて」
「う、うん……」
話なら……ここでしてもいいのにな?
……まあ、いいか。