【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
「あれ杏子、帰らないの?」
放課後、いつまでたっても椅子から立ち
上がらない私に、律希ちゃんがそう尋ね
てきた。
そんな律希ちゃんに、ちょっと微笑む。
「うん。凌斗君に待ってて、って言われ
たんだ」
そう言うと、律希ちゃんは目をパチパチ
とさせてから、ニヤリ、と笑った。
「ふーん?そう、千明もついにねぇ。ふ
ーん、へーぇ?」
ニヤニヤ、ニヤニヤ。
律希ちゃんは何が面白いのか、顎に手を
当てながら、そう呟く。
律希ちゃんってばどうしちゃったんだ。
「り、律希ちゃん……?」
「んー?」
「なんでそんな顔、してるの?」
なんだかとっても、悪い顔。
「別に?ただ、王子様がこれでどう動く
のかなあ、って思ってね」